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2050年の農業

2050年の農業と聞いてどんなイメージが浮かぶか?

 

例年にない暖冬、これまでに経験したことのない異常な気候を目の当たりにする日々の中、常に自然と向き合う農業の現場で、このキーワードは目を背けるわけにはいかないキーワードだと思います。

 

 

先日福井駅裏のAOSSAで開催された農業者向けの講演会では、これからの農業を考える上で、とても重要なキーワードをたくさん聞く事ができました。

 

テーマは「2050年の農業 〜冷静と情熱の間〜」

 

まず、福井県出身の株式会社マイファームの社長、西辻氏のお話の中で特に感銘を受けたこと。

 

非農家出身の西辻氏が、子供時代、家庭菜園の手伝いをしていて大人から褒められた経験から農業に興味を持ち、「千豆」(ドラゴンボールに出てくる)を作りたい!と入学した京都大学の農学部で行われていた研究が「いかに効率よく生産性の高い農作物を作るか?」だというとこに落胆し、大学院には進まず、卒業後自ら事業を始めた経緯。

 

その理由は、戦後食糧難の中、経済成長を目標に、万人の腹を満たすための食料政策が行われた時代から72年、今は年間600万トンの食料を捨てている日本の社会で、食べ物というのはすでに飽和状態、供給過剰でとにかく腹を満たす時代ではなくなったということ。

 

この時代に戦後と同じ政策で、同じ流通の仕組みの中、農家がただ安定生産を追求した食べ物を作るだけでは、その仕組みの中でしか経営ができない。

既存の農家の多くは、JA出荷など、作ったものをどん!とJAに持っていき、キロいくらで取引され終わる。

今年のような暖冬には、作物がよく育ち、大豊作→供給過剰→相場(売値)が下がるという仕組みから抜け出せない。

 

JAの共同選果場で選別された作物は、その地域の特産品として扱われることはあるが、だれがどうやって作った物なのかまでは、スーパーで選ぶときにはわからない。

 

農家自身がどんなにこだわりを持って手間暇をかけて作っても、それを伝えなければその他の野菜と一緒になってしまう現状。

 

国内外から集められる大量の食料の中から、「これを食べたい」と思われるモノ作りを農家自ら行い、発信していくことが求められる中、何をどう発信していくのか?何をどう販売(give)し何を対価として得る(take)のか?

これは農家(生産者側)の問題。

 

何をどう食べるか?選べる時代であるにもかかわらず、安くてきれいな野菜が選ばれるし、野菜を買って調理する人すら少なくなって、どんな食材が使われているか見えない手軽な出来合いのお惣菜や外食、コンビニで食事を終わらせる人のほうが多いのかもしれない。

 

これは消費者の問題だとこれまで思っていましたが、食べ物が作られる工程、背景、思いに想像をめぐらすことがほぼないような、生産現場と食卓がかけ離れた現代社会の中で、大量の食べ物が捨てられていく背景には、それを変える努力をしてこなかった生産者にも原因があるのでは?という西辻さんのお言葉。

 

生産者としては胸に突き刺さる言葉でもありましたが、理想論ではなく、現実、農村からは見えない消費の現場で起きでいる事実は、気候変動やAIやIT化と激動する社会の中で、目を背けられない転換期であるということを冷静な語り口調の中からもひしひしと感じました。

 

これまで需要と供給のバランスで相場が決められてきた社会の中、その仕組みを覆すということは容易ではないけれど、だれもやらなかったことに挑戦する。それが変革だと。冷静な語り口からもとても熱い思いが感じられ、2050年、これからは次世代に受け渡していく私たち世代がこの変革期にどう動くのかが問われていると感じました。

 

 

そして今回が3度目となる「東北食べる通信」やポケットシェの創設者、高橋博之氏のお話は、やはり情熱的でした。

 

世界人口は2050年には100億人に達するといわれる中、日本は超少子高齢化。

農業者人口は全国民のわずか、わずか1.4%。しかもほとんどが60歳以上。

残り98.6%の国民のほとんどが、親戚にも知り合いにも農家がいない、故郷を持たない東京生まれ東京育ちと化してきたというお話。一極集中、地方の人口はどんどん都市部に流出し、地方はこのまま消滅していくのか?

 

こんなお話を高橋さんが東大の経済学部の学生さんに講義したところ、学生さんから

 

「地方は日本経済の足を引っ張ているのに地方は必要があるのか?都心に集約したほうが経済効率が良いのではないか?」と質問されたそうです

 

「では都市では生産できない食料はどうするの?」と聞くと

 

「適地適作でそれぞれの国が効率よく作れるものを輸出入すればいいのでは?」と答えたそうです。

 

「じゃあ世界情勢が悪化して食べ物が輸入できなくなったらどうするの?」と聞くと

 

「そのために外交という手段があるんです」と。

 

日本の最高峰の教育を受けている学生さんがこう考えている。

 

そしてそういう意思の人たちが日本を動かしていく官僚へとなっていく。

 

国がどうにかしてくれるという考えでは地方は本当に消滅して日本はシンガポールのようになるのか?

 

「君、地方に行ったことある?」と聞くと

 

「一度だけ旅行で行ったことがある」と答えたそうで。

 

結局、この学生さんも全く地方に知り合いもいなく、そこで行われる営みは見えないし、そこに思いをはせることもなかった。

 

地方にはそれぞれその土地に気候風土の違いから育まれた文化や歴史があり、そんな営みが個性豊かな人やモノ作り育んできた、そういうモノやコト、ヒトは切り捨てられ、経済効率だけを追い求める社会ははたして幸福なのか?

 

高橋さんがポケットマルシェを始めた経緯には、東日本大震災で被災した東北に、東京からたくさんの若者がボランティアにきて、

何もかもう失った東北の人たちと関わることで、何も失っていない都会の人たちが逆に元気をもらって帰っていき、その後も都会の生活に疲弊すると東北を訪れ、農山漁村の復興に携わりながら元気になって帰っていく姿を目の当たりにしたからだそうです。

 

お互いに顔の見えない生産者と消費者が直接つながることで、今まで見えなかったものが見えてくる。

 

日々の農作業や漁の様子、厳しい環境の中一生懸命育ている様子、それを知ることで、食卓に上がった野菜を見ると大事に頂こうという気持ちになる。

 

生産者もまた、都心の家庭で自分が作った野菜を喜んで料理して食べている人たちの姿を目にすることで、やりがいや生きがいにつながり、もっと良い物を作ろうという威力がわいてくる。

 

そんなやり取りが広がれば、「地方はいらない」という発想は生まれてこないんじゃないか?人の心情とは、地方に台風が直撃したと聞けば自然と「あの人大丈夫かな?」と繋がりのある人に思いを馳せる。

 

19歳以下の自殺者数が年々増加している日本。

 

これだけモノがあふれる日本の中で生きる子供たちの多くが未来に希望が持てない。

 

人生100年時代と言われてるが、長く生きることよりもどう生きるかのほうが問われる。

 

大切なもは何なのか?幸福とは何か?

 

本当に心に深く刺さる高橋さんの情熱的なお話に胸が熱くなりました。

 

そして考えさせられます。

 

自分はどう生きるのか?

 

子供たちに大人がどんな姿を見せれるのか?何を残せるのか?

 

それぞれお二人の話の後に、会場の参加者からの質問を交えたトークセッションが行われ、その話の中に答えはこれだなと思えるキーワードがいくつかありました。

 

現在研修中の新規就農希望の若者から

 

「お二人のお話は常識を変えるような内容でしたが、常識を打ち破るときに重要なこと、大事にいしていることは何ですか?」という質問があり、西辻さんは

 

「今も自分が何か成し遂げたと思っていない。常に挑戦し続けている。挑戦しては失敗し、失敗することでどうすればいいのか?問題点が見え、また一歩前に進み、トライ&エラーを繰り返している。挑戦して、大いに失敗すればいい」と。

 

高橋さんは「社会を変えるには、それを批判したり攻撃するのではなく、これまでこの社会を築いてこられた方にまず感謝をし敬意を込めて話し合い、一緒に考えていくことが大切だと気が付いた」

 

そして

 

「何を言うかではなく、誰が言うかが重要だと」

 

この人が言うなら聞いてみようかな?という人間にならなければ誰も耳を傾けない。

 

本当にそうだな〜と納得。

 

AIが人に代わり作業をこなすような経済性だけを追い求める社会にヒトの幸福があるのか?

 

幸福とは何か?

 

それはやっぱり人と人との繋がりであり、個性や多様性を認め合う社会だと思います。

 

そして、これまでの常識では測れない、観測史上初が年々更新される異常な気候の中、これまでのように経済効率を優先したモノ作りで、世界人口100億人の胃袋を満たす食べ物が、AIや技術の普及で作られるようになるとは到底思えません。

 

エネルギーも食料も自給していく時代はすぐそこに来ているのではないかと思います。

 

そんな近い未来を見据えて、自分にできることを取り組んでいこうと改めて考えさせられた講演でした!

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


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